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混声合唱とピアノのための組曲「風の旅」  Ⅰ 生まれる

組曲について

混声合唱とピアノのための組曲「風の旅」は、私の2015年度最初の作品として作曲しました。


「風」を主人公に、三つのエピソードが歌われています。


組曲は


Ⅰ    生まれる

Ⅱ   森の歌

Ⅲ  吹き荒ぶ


の3曲で構成され、全体で約13分ほどの作品となっています。





Ⅰ 生まれる

「風」が『僕』という一人称で語る曲です。

 

演奏時間:4分40秒

ピアノ伴奏付き

作詩:河邊 一彦


Ⅰ 生まれる


夜のしじまの  静けさから
まだ見ぬ夜明けの かなたから
    

僕は生まれる いま 昇り来る 
新しい光を 運んで

 
丘を越えて 朝の街へと
新しい息吹を 届ける


子犬 連れた 少女の髪を
そっと やさしく揺らして


いま この街のどこかで
新しい命が 生まれた
アーアー


僕は そっと触れる





夕暮れの街 ざわめきの中
うつむく一人の 少年


黄昏迫る 公園のベンチ
一人の老婆が 倒れる  


終わらない悲しさも
つかの間の喜びも
アーアー



いま このとき  世界のどこかで
誰ひとり  知ることもないまま
枯れゆく 一輪の花 


まぶたを伏せて  悲しい目をした
動物たちの群れが  河を渡っていく


いま このとき 南の海で
荒れ狂う 波に 押し流され
彷徨う 一頭のイルカ 
 

流れる雲の  姿のように
全てのことは  移り変わって行く


でも 永遠に
季節は巡り

僕は 暖かい腕で   
花を揺らす 



夜のしじまの  静けさから
まだ見ぬ夜明けの かなたから


僕は生まれる
いま 昇り来る 
新しい光を  運んで


またあの空の向こうで 新しい命が 生まれる


僕は そっと見つめる

参考音源



★ 楽譜は現在未出版ですが、もしお使いになりたい団体等がございましたらお問い合わせ下さい。