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”響宴”と私

1998年3月8日(日)午後1時頃、

私はJR山手線有楽町駅前に前年(1997年)建築されたばかりの現代的な建物、東京国際フォーラム・ホールCの1階席に着席しました。

間もなく開演する「21世紀の吹奏楽 第1回 響宴」を鑑賞するためでした。

 

〈未出版・未発表(初演)の邦人作品によるコンサート〉とサブタイトルのついたこの初めての催し、4つの演奏団体により15名の作曲家の作品が演奏されました。


その後、私は地方勤務のためになかなかこのコンサートに伺うことが出来なくなりましたが、2010年3月東京勤務となった翌々年、2012年の第15回に出演させていただくこととなりました。

 

そして来年2015年の同日、3月8日(日)には18回目の開催を迎えることになります。

響宴とは

第1回目のプログラムには、まだ設立趣旨についての記述はありません。

その後、第17回までは次のように謳われています。

 

1. 吹奏楽のアイデンティティーについて考えを深め広く音楽界にアピールする。

2. 新しい吹奏楽のレパートリーを創出する。

3. 作曲者、演奏者、出版界(メディア)の相互協力関係について考える。

 

そしてこの催しの最大の特徴は、全てボランティアで運営されているということです。

作曲家も演奏団体も、皆、無報酬で参加します。

 

作品の選考は選曲委員会が行い、毎年春に作品募集が締め切られ、秋に採用作曲家名・演奏曲目及び演奏団体がアナウンスされます。コンサートはメディアに取り上げられるとともに、録音されCD化されます。

 

演奏者として参加

2012年3月11日(日)第15回「響宴」では、海上自衛隊東京音楽隊とともに出演、アンサンブルリベルテ吹奏楽団、神奈川大学吹奏楽部、東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部に続き、最終演奏団体として4人の作曲家の作品を演奏いたしました。

 酒井 格:行進曲「南を守る鳥」

福田洋介 :Saxophone Chansonnet - Concerto

渡部哲哉 :吹奏楽の為の組曲「ウィンド・カラーズ」

三國浩平 :マーチ「シャッフル!」

作曲家として参加

第16回響宴 〈嵯峨野 〜 ソプラノと吹奏楽のために〉

2013年3月10日(日)に開催された第16回響宴では、私の作品としては初めて〈嵯峨野 〜 ソプラノと吹奏楽のために〉を取り上げていただきました。


副題に「Symphonic impression for Soprano and Wind Orchestra」とありますように、京都市右京区にある嵯峨野の印象を交響的に描いた作品で4部(演奏時間約17分)からなり、中間部(第3部)にはソプラノ独唱を含む長大な作品です。

演奏は、航空自衛隊航空中央音楽隊。ソプラノは、三宅由佳莉さんに歌って頂きました。



後日発行されたバンドジャーナル2013年5月号には福嶋頼秀氏による講評が掲載されました。

 

『河邊一彦による嵯峨野はソプラノ歌手と中編成吹奏楽による約17分の組曲。〈嵯峨野へ〉〈風の道〉〈川のほとり〉〈旅立ち〉の4曲からなり、しっとりとした純和風の響きから、和太鼓のビートの効いた音楽まで、種々の和風なテイストを織り交ぜて構成している。ソプラノの三宅由佳莉が明るくのびやかな歌声で熱唱し、水科克夫指揮・航空自衛隊航空中央音楽隊も厚く豊かな響きでそれを支えていた。』

 

「嵯峨野」の後に、真島俊夫氏の「MIRAGE Ⅳ」が演奏されコンサートは終了となりました。

実は真島氏のこの作品は、東京音楽隊が委嘱し、2011年の第50回記念定期演奏会で初演させていただいた作品でしたので、合わせて嬉しい1日となりました。


嵯峨野の楽譜は本年春出版となり、今年度の吹奏楽コンクールでは川崎市高津区の高津中学校の皆さんに演奏していただきました。ありがとうございました!

演奏時間が長いだけに、今後コンクール・バージョンなどを作っていくつもりでおります。

 

第17回響宴 〈アルトサクソフォーンとバンドのための”Song & Dance”〉

2014年3月10日(日)に開催された第17回響宴では、〈アルトサクソフォーンとバンドのための Song&Dance〉を取り上げていただきました。

 

演奏は、林紀人指揮アンサンブルリベルテ吹奏楽団のみなさん。

アルトサクソフォーン独奏は、福本信太郎さんでした。


楽譜は、アトリエエムで取り扱い開始となりました。

CDは、ブレーン(株)から発売されています。

第18回響宴にむけて

来年、2015年3月8日(日)開催予定の第18回響宴では、ソナチネ(Sonatine for Wind Orchestra)を演奏していただくことになりました。


中編成で演奏時間約4分半程の、スクールバンド向けの作品です。

詳しくはWorksページに書きましたが、技術的に容易であること、楽しみながら音楽形式が理解できること、二つのリズム形が全曲を統一していることなどを念頭に作曲しました。


予定されている演奏団体は、千葉県柏市立酒井根中学校吹奏楽部(指揮: 犬塚 禎浩先生)の皆さんです。


 

1998年に始まり、来年で18回という歴史を刻んできた21世紀の吹奏楽「響宴」。

私は、運営サイドとしては第15回からその一端に参加させていただいております。

 

今後も微力ながら、吹奏楽を通して日本の音楽文化向上に寄与できるよう研鑽努力していく所存です。


 

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コメント: 1
  • #1

    高津中学校吹奏楽部 (土曜日, 15 11月 2014 13:32)

    今年度のコンクールで嵯峨野を演奏させていただきました。
    その節は、大変お世話になりました。
    ご紹介いただき、ありがとうございます。
    部員一同、大好きな曲ですので、春の演奏会では全曲演奏に挑戦したいと思っております。
    今後ともよろしくお願いいたします。

    高津中学校吹奏楽部顧問